【山梨グルメ旅】1カ月先まで予約で満席!ブドウ畑のど真ん中で味わうぜいたくフレンチ
すっかり秋めき、ワイナリーツアーが楽しい季節になってきました。先日訪れたのは山梨県韮崎市にある「La Cueillette」(ラ・キュイエット)は、フランスの有名なレストランガイド「ゴ・エ・ミヨ」にて2年連続で2トックを獲得している有名なフレンチレストラン。世界中の美食家がわざわざ訪れたくなる理由は、山梨テロワールを五感でたっぷりと堪能できるから。
客席から一望できるブドウ畑、天気が良いと富士山まで!
JR韮崎駅からタクシーで10分。ブドウ畑のど真ん中にたたずむ「La Cueillette」に降り立つと、小鳥たちのさえずりがまるでお客様を出迎えているかのようににぎやかに聞こえてきます。席に着くと、目の前にブドウ畑が広がり、店内からでも成長中のブドウの実が垣間見られるというぜいたくさ。
ブドウ畑の緑と青空のコントラストが美しく、天気の良い日は遠くに富士山まで見えるという絶好のロケーション。屋外テラス席まで用意されています。
こんな大自然に包まれた中で深呼吸しながら、ワイン片手にいただく本格フレンチ。人生一度はこういう体験をしてみたいと思っている方も多いのでは? 有名ガイドブックで紹介されていることにも納得。
しかも「La Cueillette」の山田眞治シェフは、今年で12回目を迎える「ダイナースクラブ フランスレストランウィーク」のフォーカスシェフにも選出され、今、全国的にも注目を集めています。全国から約550店舗が参加するこの一大イベントで、全国から注目のフォーカスシェフが16名選出されたのですが、山田シェフはその中の1人。
ちなみに上の写真は、今年8月にコンラッド東京(東京・汐留)で開催された「ダイナースクラブ フランスレストランウィーク2022」のプレス会見時のもの。山梨県のご当地キャラクター「武田菱丸」くんと笑顔で登壇されていました。
「ダイナースクラブ フランスレストランウィーク」とは9月23日(金・祝)から10月16日(日)まで開催されている日本で最大級のフランスレストラン・イベント。高級イメージのあるフレンチながら、この時期だけダイナースクラブ会員だけでなく、誰でもリーズナブルな価格(2,500円、5,000円、8,000円~ ※店舗による)で気軽にフレンチを堪能できます。この機会を逃す手はない!とさっそく秋のワイナリーツアーで「La Cueillette」に立ち寄ってみました。
山梨の果物、キノコ、ワインラム!? 山梨テロワールを満喫
山梨の梨 自家製フロマージュブランのムース 食用ホオズキ 生ハム
イベントコースはランチ、ディナーともに5,000円(税・サービス料込み)。お料理5品もついてこの価格は本当にリーズナブルです。
ブドウの葉とともに提供された1品目は、ビネガーでマリネをした梨に、まろやかなフロマージュブランの泡状のエスプーマが口の中で混ざって最高においしい。生ハムのうまみや、南アルプス産の甘酸っぱくてほろ苦いホオズキなど、新鮮でみずみずしい味わいが、”フルーツ郷・山梨”を存分に感じさせてくれました。
ティアン 山の水農場のキノコ ふじさん牧場ワインラム 黒イチジク
「ワインラム!?」とメニュー名から興味をそそられた2品目。地元・ふじさん牧場ではワイン醸造の過程で出るブドウ果実の搾りかすをラムに食べさせて育てているようで、捨てるはずのものを有効利用したSDGsの取り組みでもあるようです。
肉質が柔らかく、羊肉の香りが少ないラム肉は少しだけスパイシーに調理され、その上下に、ズッキーニやナスを挟んでティアンに仕上げたもの。野菜の薄切りを重ねてオーブンで焼くティアンは南フランスを代表する料理で、とても繊細で可愛らしい見た目に感動しました。
濃厚な味わいの夏野菜をキノコエキスで作ったソースと一緒にいただくと深みが加わり、里山の元気食材を丸ごと味わっているかのような感覚に。地元・韮崎市産の黒イチジクも風味が濃くて驚きました。
日本ワインを代表する山梨ワインも勢揃い!
今年3年ぶりに開催された「日本ワインコンクール2022」での受賞ワインや、受賞ワイナリーのワインなどを筆頭に、山梨ワインを約100種、世界各地のよりすぐりワインを約100種もラインアップ。注文に迷ったら、ソムリエでもあるシェフの奥さまが丁寧に説明してくれます。グラスワインもあるので飲み比べも楽しめます。
また車でおこしの方にはノンアルコール・ドリンクのワインやカクテル、シードル、ビールなどもおすすめ。写真上の「フレーバー緑茶」(700円)は県内の紅茶専門店マヴィの茶葉を使用した水出し緑茶。緑茶とは思えないくらいすばらしいアロマや、やわらかい口当たりに最初の一口目から感動しました。
八ヶ岳湧水鱒のティエド レモンバーム タモギ茸 ネギ
3品目は八ヶ岳湧水の清流で育った鱒を低温で燻製調理した料理。個人的にはこの料理が一番のお気に入りで、鱒のふんわりとなめらかな食感と、燻製したやさしい風味が絶品でした。かぼすを加えたネギのフォンデュはほど良い酸味で、クセになる味わい。
中村農場名水赤鳥 低温調理 キノコのデックセル クリ 茸のガレット クレソン マデラ酒
4品目はキノコや栗を使った秋らしい鶏肉のお料理。中村農場の名水赤鳥は、農場で放し飼いされた元気な鳥で、そのムネ肉を低温調理でしっとり仕上げています。椎茸とエシャロットをソテーして、フォン・ド・ボーやマデラ酒を加えた茶色のソースがとても濃厚で美味でした。
また数種類のキノコのパウダーで作ったという自家製のガレットは、カリカリして香ばしく、風味にとても重層感があり、うまみがやわらかく膨らみます。言いようもない香ばしさで、濃縮された味わい。
これは日本酒とも合わせてみたい!と思いました。
収穫したブドウはジャムやコンポートにも!
シャインマスカット アールグレイムース パッションフルーツ ココナッツヴァシュラン クープ仕立て
山田シェフいわく、「この店は、ブドウ畑を合わせると1000坪以上あります。開業して10年ほどは、両親と一緒に畑仕事をしてきました。最近は、近隣の農家さんに手伝ってもらいながらやっております」。
収穫されたブドウはそのまま料理に使うほか、カクテル用のジュースにしたり、ジャムやコンポートにするのだとか。「今はブドウの収穫期で、今日は多く穫れましたので、特別にボリュームアップしております」と提供されたデザートは、ブドウがぎっしり! なんとタッキーなこと! フレッシュなシャインマスカットの他にアールグレイのエスプーマなどものっていて、とてもぜいたくなおいしさでした。
山梨でしか味わえないのんびりとぜいたくな里山フレンチ。平日は県内のお客様が半分くらいですが、週末ともなると県外のお客様で満席に。現在は1カ月先まで予約で埋まっているそう。
同店の近くには本坊酒造の「マルス山梨ワイナリー」や、サントリーの「サントリー登美の丘ワイナリー」などもあるので、これからワイナリーを巡る際に立ち寄るのもおすすめ。
かく言う私も、この後、「マルス山梨ワイナリー」に立ち寄ったのでした〜。続きのワイナリー訪問の話はまた次回にでもお届けします。
「La Cueillette」ラ・キュイエット
所在地:山梨県韮崎市穂坂町三ツ沢1129
営業時間/11:30-15:30(LO13:30) 18:00-22:00(LO20:00)
定休日/火曜(祝日の際は営業、翌日休業)年末年始・その他、不定休
TEL:0551-23-1650(要予約)