刀と浮世絵のストーリーがリンク!兵庫県立美術館「THE HEROES」

秋が深まってお出かけが楽しい季節になりましたね!秋はアートの秋。先日、兵庫県立美術館で開催されている「ボストン美術館所蔵 刀剣×浮世絵 THE HEROES」へ行ってきました。この展覧会ではボストン美術館の所蔵品。軍記物語や武勇伝説のヒーローたちを描いた武者絵と、共通のイメージがデザインされた刀の鐔(つば)や刀剣を楽しめます。

歴史の名シーンを描いた浮世絵にドキドキ

ボストン美術館所蔵の武者絵は全て日本初出品!

そしてより楽しめるように国内からも浮世絵や刀剣などが出品されています。

歴史の名シーンを描いた浮世絵はアートに興味がなくても、キャプションを読むとヒーローが活躍する珠玉のストーリーにワクワクしますよ。

音声ガイド(有料600円)は俳優の黒羽麻璃央さん。

解説は声優の小西克幸さんです。

音声ガイドに収録されていた琵琶法師の今川勉さんの平家物語(宇治川)が秀逸でした!

やはり武者絵は国芳!

歌川国芳
和漢準源氏 源頼光 薄雲

やはり武者絵は国芳!スペクタクル感があります。
平安時代のモンスターハンター頼光(らいこう)が土蜘蛛を名刀“膝丸”で退治するシーンです。

刀の鐔(つば)にも金属工芸のアート

土蜘蛛退治図鐔
銘 嘉永元戌申葉月応需 美も利(印)

刀の鐔(つば)にも土蜘蛛退治の見事な細工が…
江戸時代の中期ごろから装飾が施されるようになったようです。
これもまた金属工芸のアートですね。

源義経の手に刀が渡る物語

刀 折返銘 長円 (薄緑)

名刀“膝丸(ひざまる)”は罪人の首を落とそうとして膝まで切れたことからこの名前に。

そして土蜘蛛を退治した後には、刀の名前は“蜘蛛切(くもきり)”に変わりました。

その後、刀は熊野権現に奉納され源義経の手に渡ります。

みどりが芽吹く春のこと「夏山は緑も深く、春は薄かろう」と、刀の名前を“薄緑(うすみどり)”にしたのだそうです。

この刀はその“薄緑”との伝承があります。

この刀以外にも2本が“薄緑”ではないかと言われています。
(京都の大覚寺所蔵「薄緑」、箱根神社所蔵「薄緑丸」)

浪漫を感じますよね!

歴史とアートを堪能できる美術展。楽しすぎてあっという間でした。
気になる方はぜひ行ってみてくださいね!

※展覧会は撮影が可能です。
※入場は事前の予約制ではありませんが混雑時は入場規制がございます。

兵庫県立美術館
「ボストン美術館所蔵
THE HEROES
刀剣×浮世絵-武者たちの物語」

会期:2022年9月10日(土)~11月20日(日)
住所:神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1
観覧料:一般1800円、大学生1400円、高校生以下は無料 
開館時間:10~18時(最終入場17時30分)
定休日:月曜(10月10日は開館)10月11日
阪急王子公園駅から徒歩20分
阪神岩屋駅(兵庫県立美術館前)から徒歩約8分