【マレーシア・ペナン旅】ミシュランガイド掲載のアッサムラクサ、衝撃的なうまさが脳天を直撃!

もし明日、死ぬとしたらあなたは最後の晩餐(ばんさん)に何を食べますか?最近その答えが見つかりました。私は迷わず「アッサムラクサ」。「知っている!ラクサなら食べたことがある! 」という方、普通のラクサとアッサムラクサは全然違う食べ物ということをご存じですか?今回はペナン島でアッサムラクサのおいしさに開眼したお話。なぜミジュランガイドにあれほど多くペナンの店が掲載されているのかがようやくわかりました。

The World’s 50 Best Foodsで世界7位

ペナンでは屋台などで気軽に食べられるアッサムラクサ

シンガポールやマレーシアなどで広く食されているスパイシーなヌードル「ラクサ」。最近では日本でも日清カップ麺にラクサ味が登場したり、成城石井でもラクサが販売されていたりするので、身近な存在として感じている人も少なくないでしょう。

日本で食べるそれらはたいていココナッツ風味のカレー味。まろやかでスパイシーなスープ麺。ペナンに行くまでは、私はアッサムラクサもその類だと思っていました。しかし現地で出会ったアッサムラクサは異次元のおいしさ、まったく別物だったのです。

レタス・ミント葉・パイナップル・きゅうり・オニオンなどがトッピングの定番

アッサムラクサはまずカレー風味ではない。そしてココナッツ風味でもない。サバやアジ、イワシなど、いわゆる光り物の魚をゆでて、それらを細かくフレーク状にしたものと発酵させた小エビ(日本で言うあみですかね~)で出汁をとります。

そこに酸味のあるタマリンドの絞り汁やチリを加えて、からくて酸っぱいスープに仕上げるのです。酸味・から味・うまみの絶妙なバランスがアッサムラクサの真骨頂。米粉麺を入れて、レタス・ミント葉・パイナップル・きゅうり・オニオンなどをのせて出来上がり。

アッサムラクサはアメリカ CNNテレビの「The World’s 50 Best Foods」で世界第7位にランクインした実力派の麺料理。マレーシアには地域ごとにさまざまなタイプのラクサが存在するようですが、他のラクサと比較するためにも、ペナンに訪れたら必ず食べたいのがご当地のアッサムラクサです。

驚くほどのおいしさ!何かが覚醒し出す魔法のヌードル

ペナンでは朝から屋台に人々が集まって朝食を食べ始める

ペナンには多くのアッサムラクサの有名店があるようですが、宿泊したホテルから徒歩7分の屋台街に、「ミシュランガイド」で見つけた「Penang Road Famous Laksa」を発見。さっそく朝ごはんをそこで済ませることに。

朝から強い日差しが照りつけ、大通り沿いを5分間歩いただけで毛穴から汗が吹き出す熱帯のマレーシア。湿度の高い空気が体中にまとわりつく感覚は、まるでサウナのよう。寝起きにシャワーを浴びてきましたが、すでに全身が汗だくです。

さまざまなアワードを獲得したことなどがアピールされている店内の壁

午前9時過ぎに「Penang Road Famous Laksa」に到着。ミシュランガイドではストリートフードとして紹介されていましたが、屋根があるレストランで、野ざらしの屋台ではありません。

ビブグルマン(価格以上の満足が得られる料理)として紹介されている同店は、外食が基本の地元民などに人気で、朝の営業開始とともにすぐに満席になっていました。観光客らしいグループ客もちらほら。

店内の壁には日本のNHK番組で取り上げられたことや、ペナンのアッサムラクサBEST5に選ばれたこと、さまざまなアワードを獲得したことなどがまとめられたボードがいっぱい飾られています。

ちゅるちゅるした米粉麺はやわらかくて、朝からでも胃に重くない

私はもともと煮干しラーメンなども大好きな方ですが、アッサムラクサはそういったクセのある個性的なスープが魅力的。麺は米粉の中太麺で、ちゅるちゅるした食感が美味。中華麺よりも軽く、野菜などの具がいろいろと入ってヘルシーなので、朝食でも重すぎません。

朝の散歩の熱でほてった体を、クーラーの効いた店内でクールダウンながら、お料理を待つこと数分。レモングラスの入ったウォーターをゴクゴクと一気に飲むと、背中から汗のしずくが流れ落ちるのが感じられました。

運ばれてきたアッサムラクサのスープはにごった茶色。一口目を飲み込むと、酸味と辛味と塩味の効いたスープがスッと体に浸透していきます。後味に洗練された魚のうまみがしっかり広がり、不思議と一気に元気が湧き出てくるのです。この感覚はもしかしたら温暖な日本ではなかなか味わえない感覚かもしれません。

熱い気候にとにかくピッタリな味で、麺をすすると、ミントやオニオンの爽やかな風味が香り立ち、脳天を突くうまさ。「まさか朝からこんな、とびきりおいしいローカル飯に出会えるとは! 」。

感動のあまり朝の眠気が一気に吹き飛び、脳内が覚醒するような感覚を覚えます。スープをたいらげるまで、それほど時間はかかりませんでした。食べることに無我夢中。

世界遺産ジョージタウンの中心地、観光でぜひ立ち寄りたい店

朝から大にぎわいの店内でスムースにお客さんを案内してくれるLeowさん

食べ終えて恍惚(こうこつ)としていると、スタッフさんたちのシャツの背中には何やら文字が。「The Authentic  since 1970」。よく見渡すと、店内には創業者であるらしい女性の似顔絵も大きく張り出されてあります。地元で50年以上愛されている名店で、最初はカフェ業態からスタートしたようです。

自分が日本から来たことや、アッサムラクサがとてもおいしかったことをスタッフさんに告げると、「アッサムラクサとCHAR KUEY TEOW(チャークイティオ )がうちの看板メニューですよ」と店員のLeowさんが教えてくれました。

さっきまでキビキビと店内のオペレーションを取り仕切って、お客たちを感心させていた真剣な表情のLeowさんが、急に子供のようないたずらなまなざしでほほえみかけてきます。

つまり「ここに来たらチャークイティオも食べなきゃね!」という意味ね。商売が上手で愛嬌(あいきょう)のあるLeowさんもまた、人気店の魅力のひとつなのでしょう。

タイのパッタイのようなチャークイティオ。パッタイほど甘くはない。

さすがにこの日は後の用事があったので帰りましたが、翌日の朝食も「Penang Road Famous Laksa」へ足を運ぶこととなりました。アッサムラクサ以上の看板メニューだったら、食べないと後悔するかも、と思えたからです。もちろん注文したのはチャークイティオ。

チャークイティオはマレーシアやシンガポールの国民食と言われる幅太な米の平麺の炒めもの。タイのパッタイとも似ています。エビやもやし、魚の練り物、卵、ニラなどの具材が入って香ばしい。唐辛子も入ったピリから味がクセになる。

こちらも意外に大きいエビがゴロゴロと入っていて、もちもちとした麺がたまらないおいしさ。

「Penang Road Famous Laksa」の周辺は屋台がたくさん。この壁アートが目印!

「Penang Road Famous Laksa」を食べ尽くした満足感に浸りながら、帰りは屋台街を散歩しました。この辺りはペナンの中心地、ジョージタウンの中でも、高層展望ギャラリーのあるザ・トップ・ペナンや、ショッピングモールPrangin Mallから徒歩圏内。

近くには行列のできるかき氷店などもあるので、食べ歩きしながら街を散策するのが本当におすすめ。しかもどれも数百円程度でリーズナブル! I LOVE 屋台天国!

「Penang Road Famous Laksa」の外観
Penang Road Famous Laksa
所在地 5 Lebuh Keng Kwee, George Town, 10100, マレーシア
営業時間 09:00-17:30
定休日 水曜日

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