【潜入】外国人向けおにぎりワークショップにイギリス人の友人と!老舗つくだ煮店「新橋玉木屋」

日本の伝統文化であるつくだ煮の老舗「新橋玉木屋」。以前、つくだ煮を使った料理にワインを合わせた、同店の斬新なペアリングコースの記事を投稿しましたが(「新橋玉木屋」で過去記事を検索してみてね!)、今度は急増している外国人観光客向けにおにぎりを作る体験レッスンを今月からスタートしたと聞きつけ、さっそく潜入。ビジネスのシーンでもいま話題のインバウンド向け体験レッスンに、外国人の友人と参加してきました。

外国人の知り合いを連れて日本人も一緒に参加したい文化体験

「Onigiri Work shop in TAMAKIYA」の様子

「新橋玉木屋」は、江戸時代は1782年に創業した老舗つくだ煮専門店。現在は銀座三越や京王百貨店 新宿店など国内に6つの物販店を展開し、海外ではハワイとベトナム(ホーチミン 高島屋)にも店を構えています。

その中で唯一、飲食ブースが併設されているのが新橋駅から徒歩6分のところにある「新橋玉木屋 本店」。

店内に入ると、入り口からすぐのところに3席のカウンター席があります。私たちが予約した「Onigiri Work shop in TAMAKIYA」は、平日14時30分-16時の間で行われている外国人向けのおにぎり作り体験レッスン(おひとり様 税込7,000円、お土産BOX付き)。公式サイトから要予約。

席に着くと、新橋玉木屋のつくだ煮3種、ふりかけ3種などが用意されている

日本人スタッフが英語(もしくはフランス人のスタッフがフランス語)で、おにぎりの作り方や伝統文化などを丁寧に、楽しく解説してくれます。日本のことを深く知りたい!伝統文化を体験したい!という外国人はもちろんですが、彼らを店に連れて行く私たち日本人にとっても英語のレッスンにもなり、自国の文化理解をより深められます。

今回は日本人である私と、イギリス人の友人と2名で申込みしましたが、ちょうど同じ日に申し込まれた在日アメリカ人の奥さまも参加されて満席でした(最大3席)。

最初に互いに英語で自己紹介してから、それぞれの国の文化の話で大盛り上がり。お店のスタッフさんも日本人で、途中で通訳してくれるので、片言の英語でもまったく心配ありません。

合言葉は「トス&スクィーズ」、みんなで呪文のように唱えながら

手のひらに角度をつけて、三角形のおにぎりになるようににぎる

席に着くと、新橋玉木屋のつくだ煮3種(ごま昆布・あさり・しょうがまぐろ)と、ふりかけ3種(帆立貝・梅かつお・うなぎさんしょう)などが用意されていました。おにぎりを作る前に、それらを味見するように促されます。

初めて食べる外国人にとっては、どれくらい塩味が強いかわからないので、味見しておにぎりに使う分量と入れる具材の組み合わせを考えます。

新橋玉木屋は240年以上も続く老舗で、江戸時代に佃(つくだ)島(現在の東京都中央区)で誕生したのがつくだ煮。東京湾で獲れた立派で上質な魚を煮込んで作ったつくだ煮は徳川将軍に献上され、一方、小魚を煮込んだリーズナブルなつくだ煮は庶民の間で広く広まりました。

参勤交代で江戸に来た地方の侍たちが地元へのお土産としてつくだ煮を購入し、全国に広まっていったのだそう。保存食として優れており、ご飯のおともにも、お酒のつまみにも、ギフトにもなるのでとても重宝されたのだとか。

ひとりずつ熱々のご飯を入れたおひつとしゃもじが用意される

そんな話を英語で聞いているうちに、熱々のご飯が入れられたおひつが手元に運ばれてきました。おにぎり3個分のご飯が入っており、最初の1個は三角形のおにぎりに仕上げていきます。店のスタッフさんが手のひらを90度に曲げながら、おにぎりの上面がキレイな山型になるようにコツを伝授してくれます。

その間のかけ声が「Toss & Squeeze(トス&スクィーズ)」! 軽くおにぎりを宙に浮かせて(Toss)、回転させ、軽く握る(Squeeze)。それを繰り返して三角形に仕上げていく。

日本人にとっては見慣れた光景かもしれませんが、宙に浮かせる時の高さが高すぎて、おにぎりが床に落ちそうになったり、うまく回転できなかったり、強く握りすぎてキレイな三角形にならなかったりと、外国人にとってはなかなか難しいのですね。

みんなで一緒に呪文のように「Toss & Squeeze」! 「Toss & Squeeze」! と繰り返すうちに、なんだか笑いが起きてきます。

はっぴにねじり鉢巻、顔ハメのパネルなど撮影アイテムが充実

はっぴとねじり鉢巻を着用し、おにぎりマスター認定証とともに記念撮影

2個目以降のおにぎりは自由にアレンジ。丸いおにぎりを作って、ふりかけやマヨネーズをかけて彩りよくデコレーションしたり、2個分のご飯で巨大な三角形おにぎりを作ったり。

おむすびとおにぎりの違いについても学びました。おむすびは三角形のもの(山の形のもの)を指し、おにぎりは形状を問わず、丸くても三角形でもいいのだそう。これは日本の伝統文化に深く根付いていて…。

これ以上書くと、種明かしになってしまうので、その続きはぜひお店で聞いてみてくださいね!日本人にも深い話で、目からウロコでした。

侍や舞妓(まいこ)さん、おにぎりなどの顔ハメのパネルも用意されている

おにぎり体験は1時間ほどで終了し、思い思いのおにぎりができあがり。その後は記念撮影。はっぴとねじり鉢巻も用意されているので、お祭りの格好に変身して撮影できました。新橋玉木屋で発行したおにぎりマスター認定証は、ひとりずつ表彰してもらえるので喜びもひとしお。

おにぎりは3個すべてを食べてから帰ってもいいですし、夕食用にラップで包んで持ち帰りでもできます。さらに最後にお土産も付きます。新橋玉木屋のつくだ煮が1種、ふりかけが2種、好みのものをもらえます。

電子レンジで加熱するだけのパックご飯もついているので、観光客などは滞在中のホテルや、帰国してから自宅で再度おにぎり作りに挑戦できそうです。子供向けのおにぎり調理器具も入っていました。

江戸時代から受け継がれる新橋玉木屋の木の看板。その前で記念撮影

おにぎり作り後も時間に余裕があるお客さんは、日本酒(1合 715円 菊正宗のたる酒)を追加注文して、おにぎり作りで残ったつくだ煮と一緒にゆったりくつろぐこともできます。

昼のコースで提供している、あみバター、えびつくだ煮とナッツのキャラメリゼなど前菜3種と白ワイン1のセット(2,420円)も追加注文できます。

現在提供中のつくだ煮を使った料理のコースの日本酒ペアリン(6,980円 税・サービス料込)

そして以前も記事でご紹介した、つくだ煮を使ったコース料理のペアリングに6月から日本酒も登場しました。

今の季節はアペタイザー3品、「にしんの北欧風つくだ煮」、「鮎と胡瓜のタルティーヌ」、「うなぎのアグロ ドルチェ」、「葡萄あさりのシチリア風カッペリーニ」、「お豆とヨーグルトのシャンティー オレンジ風味」がセットになっています。

食ジャーナリストのマッキー牧元氏が監修し、日本酒も約30種から牧元氏がセレクトされたとのこと。

ワインのように甘酸っぱい高清水(秋田県)のデザート酒や、マッコリのように舌ざわりがなめらかな白川郷(岐阜県)のにごり酒がペアリング。かなり興味がそそられます!次回はランチの日本酒ペアリングコースを体験することを友人と決めて帰りました。

私たちの隣の席にいた日本在住のアメリカ人の奥さまは、まだ小さいお子様たちに日本の伝統文化であるおにぎり作りのことを正しく伝えるために参加されたとのこと。

さっそくSNSでつながったのですが、翌日、自宅で子供たちと新橋玉木屋と同じ作り方でおにぎり作りを再現されていました。こうして日本の食文化は広まっていくのですね。日本人としてちょっと感動。

日本の伝統食文化であるつくだ煮。200年以上も脈々と受け継がれてきた秘伝のタレで煮込まれているつくだ煮は、うまみがとても凝縮され、最強のご飯のおともだと再認識しました。

おにぎり作りの説明を聞いている間も、香ばしいつくだ煮の匂いが辺りに漂い、昼食後だったにもかかわらず空腹に。新橋に行かれる際は、ぜひ事前に予約して、最新のつくだ煮文化を体験してみてくださいね。

【新橋玉木屋 本店】
所在地:東京都港区新橋4-25-4
アクセス:JR新橋駅 烏森口より徒歩6分
電話番号:03-6450-1231
営業時間:月曜~金曜10:00~18:00
土日祝10:00~18:00 *定休日無
飲食カウンター営業時間:平日のみ11:00~18:00(ラストオーダー17:15まで)

*おにぎり作りの体験やペアリングコースは公式サイトから予約が可能
*本記事の写真は全て新橋玉木屋さんより提供