真の地域おこし「Co-Innovation Valley」プロジェクト始動
飛騨古川駅東開発及び一般社団法人CoIU設立基金は9月17日に「Co-Innovation Valley」プロジェクトを始動。(1)“共創学”を主軸に真の地域おこし人材を育成する大学構想、(2)地域に根差したまちづくりを目指す共創拠点の開業、(3)自然資本を活用した再生可能エネルギー産業の3つを軸に、地域や地場産業の発展と社会課題に真に向き合う人材の育成を目指す”日本初の真の地域おこし”プロジェクトです。
“共創学”を主軸に真の地域おこし人材を育成
宮田裕章氏が学長候補を務め、社会課題への関心の高い学生の受け皿となりえる【Co-Innovation University(仮称)】。2026年4月の開校をめざしています。
日本全国の地域で実践を通じて学べる日本初の大学まるごと地域共創がテーマの大学構想です。全国に連携サテライトキャンパスがあり、2年次以降は各地域で実践をメインとした“共創学”を実施します。実践をメインとし地域に寄り添うことで、日本全国の課題や地域資源に向き合う“共創”を学び、真の地域おこし人材の輩出を目指します。
カリキュラムについて
教育カリキュラムの特徴は、建学の精神である”ともに文明を問い、未来を共創する”ことを目指し、共創の実現に向けて「理論」「対話」「実践」を循環する教育プログラムを検討しています。現時点の構想では、1年次は飛騨で理論と対話を中心に学び、2年次は全国の連携拠点でボンディングシップを週に3日程度「実践」するとともに、オンライン講義と併用し学びます。3年次以降は、全国各地で、各テーマや課題認識に応じて課題の解決や自ら学ぶマイプロジェクトをおこなうことができます。(構想中の為、今後変更になる可能性もあります。)
地域に根差したまちづくりを目指す【soranotani】
藤本壮介氏が手掛ける地域とつながる新たな共創拠点の商業施設【soranotani】が2027年開業予定です。飛騨の山に囲まれた盆地の上に建設し、おぼんのような屋根に設計することで、建物のなかから上空を見上げた際、空に続いている感覚を体験できる造りとなっています。盆地に建つこの共創拠点を中心に、飛騨の地域ひいては日本全国の地域へと空を通じてつながっていく、そういった想いを込めて、空の谷≒【soranotani】と命名しました。
施設内には大学のキャンパスだけではなく、薬草や木材など飛騨の地域資源を活かしたコンテンツを充実させ、森に入れる飛騨の特徴を活かして施設内店舗で完結しない体験づくりを行います。産業や資源とまち全体がつながる拠点を創造することで、飛騨古川のまち全域にこれまでなかった回遊性をもたらし、関係人口の増加、地域経済活性に新たな活路を見出すことを目的としています。
自然資本を活用した再生可能エネルギー産業
一般社団法人CoIU設立基金が掲げる地域資源を活用した産業興しの具体例として、飛騨地域で取り組んでいるのが「再生可能エネルギー事業」です。高山市のGDPの多くは第三次産業が占め、最大資産である山林が使い切れていない中、「山林価値の活用そのものをおこなえれば、地域の産業構造への大きなインパクトに繋がる」と構想し、現在岐阜県高山市では、環境省「脱炭素先行地域」としてほか自治体のモデルとなるような地域として発展しつつあります。豊富に存在する「木質バイオマス」と山があってこそ流れる河川を対象にした「小水力発電」に着目しています。利益率を追い求めるのではなく、飛騨の地域資源である「山の価値」を上げることを重要視しています。山林資源を活用した木質バイオマスと小水力発電は、地域の新たなエネルギー源になると同時に、木質バイオマスの材料は木材製材の過程でできるため、飛騨の木材を活用した地域施設建設を同時に推進することでエネルギーの利用につながります。
今後はエネルギー産業による収益で教育・人材への支援を通して、日本全国にサステナブル人材を送り出す予定で、地域資源・人材・経済が結びつき持続可能な循環を促し、今後の地域活性のモデルとなるまちづくりを目指します。
飛騨古川の魅力満載!食✕アート✕工芸✕自然のイベント
飛騨から、世界につながる未来を共創することを目的として、9月21日から9月23日の3日間で「Hida Co-Innovation Festival(CoIF)」が飛騨古川にて開催されました。飛騨市在住の方だけではなく全国の方にも飛騨の良さを知ってもらい、飛騨からはじまる次なる豊かさを一緒に創り上げるキックオフとして実施されました。
食、アート、工芸、自然を体験
本イベントでは、飛騨からはじまる次なる豊かさのコンセプトや、開学・開業の目的を理解、協力を仰ぐために、展示・体験ブース、トークセッションなど、様々な体験型・参加型のコンテンツが盛りだくさん。
段階を踏んで地域共創の取り組みの理解を深めるために、ビジョンを共有し、共感を促す「トーク・参加型コンテンツ」、楽しみながら、理解を深める「展示・体験コンテンツ」、飛騨古川の魅力を体感できる地域の魅力と企業のリソースやアートを掛け合わせた「トライアルコンテンツ」の3種類のコンテンツを展開し、大いに盛り上がりました。
共創プロジェクトの全貌と飛騨の未来をテーマに本プロジェクトの仕掛け人達のパネルディスカッションも開催されました。少子化が進む中、過疎地に大学を創るという突拍子もない計画を最初に聞いたときにはとても驚いたという宮田氏。発起人の井上氏の幼い頃の構想がその道のプロ達と共に形になっていく飛騨市の挑戦が現実化しつつある瞬間に立ち会えました。このプロジェクトの成功が、日本が抱える様々な社会問題を解決する糸口になるやもしれません。
飛騨といえば
新海誠監督による大ヒット映画「君の名は。」で、飛騨古川が物語の重要な舞台となっています。映画の中で登場する風景の多くは、飛騨古川の実在する場所がモデルとなっており、飛騨地方の美しい自然や伝統的な町並みが描かれています。観光地としても映画ファンにとって聖地巡礼の場となり、映画公開後は多くの人々が訪れるようになりました。
飛騨市の中心部、瀬戸川と白壁土蔵街は歴史と自然が美しく調和した江戸時代の情緒を今に伝える美しい景観で知られています。漆塗りの黒い屋根や木造の家々が連なる通りは、まるでタイムスリップしたかのような趣を感じさせます。
瀬戸川沿いに泳ぐ1000匹もの鯉が、風情豊かな景色に彩りを加え、観光客の目を楽しませています。この地域は、日本の伝統的な風景や文化を体感できる場所として、多くの訪問者を魅了しています。
本プロジェクトは、観光産業だけに依存せず、飛騨の資源を活かした高付加価値な産業を生み出し、全国に広げることを目指しています。