日伊国交160周年記念 大阪・関西万博開催記念 特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」大阪市立美術館にて開催

大阪・関西万博で人気を博したイタリアの至宝が、新たな友好の証として次章へ引き継がれ、大阪市立美術館にて展示されます。本展は、日本とイタリアの国交160周年を記念し、大阪・関西万博のレガシーを文化的に継承することを目的とするものです。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。2025年4月13日から10月13日までの184日間開催され、158の国・地域と7つの国際機関、13の民間パビリオンが参加しました。開幕直後から大行列ができた「イタリア館」のテーマは「芸術が生命を再生する」。古代から現代までの幅広い作品が披露され、多くの来場者を魅了しました。本展では、そのなかでも古代からルネサンスに至る西洋美術史の流れを象徴する「ファルネーゼのアトラス」を筆頭に、ルネサンス期を代表する万能の天才レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿「アトランティコ手稿」、巨匠ラファエロの師ペルジーノの傑作「正義の旗」の3件を厳選し、大阪市立美術館にて展示します。

「ファルネーゼのアトラス」(ナポリ国立考古学博物館)

「ファルネーゼのアトラス」

会場へ足を踏み入れると、現れる「ファルネーゼのアトラス」大理石でできており、高さ193cm、直径102cm、古代彫刻の最高傑作と称されています。

16世紀半ばに発見された当時は、顔も腕もなかった状態で発見されており、彫刻家 カルロ・アルバチーニによって修復、頭部や髭などが加えられ、腹筋などの筋肉の部分は残された状態だったため、この修復により、当時のリアルな姿がより忠実に再現されたといわれています。

 神戸大学教授 宮下規久明氏  アンブロジアーナ絵画館館長アルベルト・ロッカ氏

内覧会当日は、 本展監修者、神戸大学教授 宮下規久朗氏の解説と共に、展示の魅力そして、様々な見解から、作者本人の生い立ちから、時代背景などがわかりやすい解説と共に紹介されました。

「正義の旗」ウンブリア国立美術館(ペルージャ)

日本初公開!ペルージャのウンブリア国立美術館が所蔵する、ピエトロ・ヴァンヌッチ(通称ペルジーノ)の作品「正義の旗」(218×140cm)。イタリア国外での展示は初めてで、上下二段構成の作品には聖母子や天使の姿が描かれています。

天使の中でも、階級が上位とされる、顔と翼だけで表されているのは熾天使(セラフィム)、目にした瞬間から、その場の空気が澄みわたるような、温かく穏やかな色調で、まるで心が導かれるような気持ちになりました。

アンブロジアーナ絵画館館長アルベルト・ロッカ氏 イタリア館政府代表マリオ・バッターニ氏

ルネサンス時代に活躍した、レオナルド・ダ・ヴィンチの「アトランティコ手稿」から、「水を汲み上げ、ネジを切る装置」と「巻き上げ機と油圧ポンプ」(アンブロジアーナ図書館所蔵)が本展にて日本初公開されます。

レオナルド・ダ・ヴィンチは多彩な知識の持ち主で、数学・天文学から植物学・動物学、さらには土木工学や軍事技術にまで及ぶ幅広い知的探究を収め、マルチな才能を開花し、「万能の天才」と称されています。

「水を汲み上げ、ネジを切る装置」と「巻き上げ機と油圧ポンプ」(アンブロジアーナ図書館)

「水を汲み上げ、ネジを切る装置」255x210mm「巻き上げ機と油圧ポンプ」203x286mm(アンブロジアーナ図書館)神戸大学教授 宮下規久明氏による、解説では、手稿に記された文字は、草書体の鏡文字で書かれており、その理由について、発想を他人に盗まれないようにするためだと言われており、右から左へ文字が書かれているのは、レオナルドが左利きであり、正規の教育を受けなかったためといわれています。

フォトスポットも完備

日伊国交160周年記念 大阪・関西万博開催記念
特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」

2025年10月25日(土)~2026年1月12日(月・祝)(65日間)
休館日:毎週月曜日(ただし祝日の場合は開館し、翌平日休館)、12月29日~1月2日
開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
会場:大阪市立美術館
観覧料:一般1,800円(1,600円)
大阪市天王寺区茶臼山町1-82(天王寺公園内)
※( )内は20名以上の団体料金。
高大生1,500円(1,300円)
小中生500円(300円)
※現在チケットは完売しており、販売再開など今後の対応は、随時大阪市立美術館ホームページと展覧会公式Xでお知らせします。