【大阪・肥後橋】「堂島ロール」を知るパティシエに聞く。“また食べたい”を生みだす「27℃」

大阪を代表するスイーツと言えば「堂島ロール」。2003年以来、ロングヒットしている手土産の定番スイーツで、全国各地、そして韓国、中国・香港の「モンシェール」店舗で販売中です。その「モンシェール」で数々のコンテストで受賞した鮫島英樹シェフが、2022年に立ち上げた注目の新業態が大阪の「27℃」(27ドシー)。「また食べたい」と思わせる、チョコレートと焼き菓子はどのように生まれるのでしょうか。

地道に挑戦し続ける努力家、国内の菓子コンテストで多数入賞!

「クリームを主役にした一巻きロール」という新スタイルで全国的なロールケーキブームを牽引した「堂島ロール」。

画像:「27℃」

大阪の出身である「27℃」の鮫島シェフは現在40歳。彼が「堂島ロール」に初めて出会ったのは今から約20年前のこと。

「とてもはやっていて、店の前の行列が本当にすごかった。クリームが挟んであるロールケーキはそれまでにもありましたが、あんなにクリームがたっぷりなのは初めてで。ロールケーキの固定観念が変わった衝撃的な瞬間でした」と振り返ります。

7月限定の「季節の堂島ロール~桃」。みずみずしい桃がたまらないおいしさ。

画像:「27℃」

「季節の堂島ロール」も人気で、例えば夏場なら桃やメロンなどを展開。一度食べたことがある人でもまた食べたくなる、飽きない旬のおいしさも人気の要因となっています。

モンシェールに入社して4年目で「27℃」を立ち上げたシェフパティシエ鮫島英樹氏。

そんな鮫島シェフがモンシェールに入社したのは2018年。その前はフランス・パリ5区やルクセンブルクの名店などで、パティシエとして修業を重ねていました。そして海外滞在中から10年以上もの間、鮫島シェフが継続的に挑戦し続けているのが、菓子コンテストへの出場です。

「27℃」の店内の壁。数々のスイーツコンテストで優勝した鮫島シェフの賞状も飾られている。

「仕事が終わった後、コンテストのための試作を深夜までするので、忙しい日々を過ごしてきました」と鮫島氏。2019年「西日本洋菓子コンテスト ピエスアーティスティック(芸術作品部門) ショコラ部門」 優勝など国内の数々のコンテストで入賞を重ねています。

チョコレートはたった1℃で変わる。職人の感性が光るスイーツ

「テリーヌショコラ」3,000円。エクアドル産のオーガニックチョコレートを使用し、低温でじっくり焼いたもの。

画像:「27℃」

ある日、そんな鮫島氏に白羽の矢が立ち、「モンシェール」の社長から新業態の立ち上げを任されることに。「“鮫島の好きなようにやっていい”と言われた時のあのプレッシャーは相当でした。でもあえて“自分(の考えたもの)が出せる、いい挑戦になる!”とも考えました」と彼はほほ笑みます。

「27℃」は、1℃単位で口どけが変わる繊細なチョコレートと、キッチンから10秒の“焼きたて”焼き菓子が柱の店 。チョコレートは「カカオベルト」と呼ばれる北緯・南緯、各20度の高温多湿なエリアのうち、エクアドルやドミニカ共和国など7カ国から厳選したカカオだけを使用しています。さらにテンパリング(チョコの温度調整)には細心の注意を払っています。

「27℃」の店内。「堂島ロール」や「テリーヌショコラ」、季節の生ケーキなどが並ぶ。

画像:「27℃」

「チョコレートは1℃違うだけで、口どけや舌ざわりがまったく変わってしまう。チョコレートの温度が刻一刻と変化する中、狙った温度で素早く作業することが大事」と、チョコレート専門店で働いた経験もある彼は、真剣なまなざしになります。

もちろん製作中は温度を測る余裕などないので、五感を研ぎ澄まし、想像力を駆使しながら、ただひたすら手を動かすことに集中するのみ。

実は店名の「27℃」は、チョコレートのテンパリング温度から命名しているとか。「ガナッシュの艶(つや)や状態を見れば、今、27℃かどうかが分かります」と鮫島氏。

調理の温度や時間、タイミング、素材選びから香り、食感に至るまで、全て計算し尽くされた職人の技。職人たちの息づかいを感じながら味わう“感性のスイーツ”なのです。

「お菓子は呼吸しているうちに キッチンから10秒の出来立て」をコンセプトに掲げ、フィナンシエなどの焼きたての焼き菓子が並ぶ。

今の時季は桃のタルト、シャインマスカットのケーキ、メロンのショートケーキなど、旬のフルーツを使ったスイーツがショーケースに並びます。そして7月の商品で見逃せないのが「シャルロット」。

「ダイナースクラブ フランス パティスリーウィーク2026」にちなんで提供される7月の限定メニューです。

7月の必食は、マンゴーを使った「シャルロット エキゾチック」

「シャルロット エキゾチック」プティガトー700円 。マンゴーを使った夏らしいスイーツ。

画像:「27℃」

本イベントは全国488店が参加する国内最大級のフランス菓子イベント。2026年7月1日(水)から7月31日(金)まで開催されます。この期間中、シェフたちの職人技や感性によって多彩にアレンジされた「シャルロット」が参加各店で一斉に提供販売されるのです。同店のシャルロットは「シャルロット エキゾチック」。

シャルロットはクラシックなフランス菓子。優雅な帽子を思わせる美しいフォルムで、中央にはババロアやクリーム、その周囲にはビスキュイが配置されているのが一般的です。同店の「シャルロット エキゾチック」はマンゴーやオレンジのジュレなどがのせられた南国風。柑橘(かんきつ)の香りが広がり、一口目からとても爽やか。

食べ進めると、中にはオレンジのババロア、そしてマンゴー・パッションフルーツなどを使ったクレーム。軽い食感のビスキュイと一緒にほおばると、トロピカルな香りと甘酸っぱさが口の中に広がり、幸せな柑橘の余韻‥。

ルクセンブルク修業時代に、レモンとタイムとバジルを使ったマカロンを食べて感動し、バジルのチョコレートを作ったという鮫島氏

画像:「27℃」

「シャルロットを初めて見たのは20代前半のホテル勤務時代。婚礼用の特別なケーキで、中央にリボンが飾ってあって、初めて見た時は驚きました。こんなフランス菓子があるのか!と」(鮫島氏)。

「シャルロット エキゾチック」はテイクアウトが可能ですが、店内のイートイン席で味わうこともできます。生ケーキ単体でも注文できますが、同店を訪れたら<好きな生ケーキ1個+焼きたての焼き菓子(好みを1個選ぶ)+チョコレート+ドリンクのセット>1,350円を注文してみて。

ピスタチオが好きな筆者は、焼きたての「フィナンシェピスタージュ」と「フランボワーズ・ピスタージュ」をセット。

「今後、挑戦してみたいことは?」と問うと、彼は即答しました。「柚子や山椒を使ったチョコレートですね。ライムやオレンジは定番で使いやすいですが、和の食材はおいしさのバランスがなかなか難しい。ハーブを使ったチョコレートも考案してみたい。ハーブの余韻が持続するような‥」。

「今年2月のバレンタイン時期に名古屋のデパートに出店したのですが、“昨年も買っておいしかった。今年も来たよ”とお客様に声をかけていただき、本当にうれしかったんです」と目を細める鮫島氏。お客様の笑顔を思い浮かべながら、いつも新しい商品を開発しています。

「また食べたい」と思わせるお菓子の裏には、1℃単位で息づかいも変わる繊細な職人技、素材へのこだわり、そして深夜まで試作を重ねる地道な努力の積み重ねが垣間見られました。同店のスイーツが一口ごとに職人の情熱を届けてくれます。

2026年7月4日(土)には「27℃日本橋三越本店」がいよいよオープン。関東の人も、ぜひこの機会に「27℃」の口福にひたってみてください。

27℃ (27ドシー)
住所:大阪府大阪市西区江戸堀1-1-11
最寄駅:大阪メトロ四ツ橋線肥後橋駅
営業時間:10:00~19:00(土曜・祝日のみ閉店18:00)
定休日:日曜日
店内にイートイン スペース(5席)あり
電話番号:06-6445-5224
Instagramアカウント:@27c_higobashi

27℃日本橋三越本店
住所:東京都中央区日本橋室町 1-4-1 日本橋三越本店 本館 B1F
営業時間:10:00-19:30

「ダイナースクラブ フランス パティスリーウィーク2026」イベント概要
開催期間:2026年7月1日(水)~7月31日(金) ※一部、店により実施期間が少し異なります
概要:全国の参加店が期間中に「シャルロット」を共通テーマに一般客向けに提供・販売。
開催場所:全国488店(北海道・東北37店、関東271店・中部・北陸49店、近畿69店、中国・四国23店、九州・沖縄39店)
※昨年、世界で75周年、日本で65周年を迎えたダイナースクラブは、レストラン優待をはじめとしたグルメサービスや、旅、エンタメ、ゴルフなど幅広い分野で会員様をサポートするクレジットカードです。