老化対策や夏の疲労に。今注目の「ティーファースト」習慣を専門家が解説
健康寿命の延伸や猛暑対策に関心が高まるなか、紅茶ポリフェノールの最新知見を紹介するメディア向けセミナーが開催されました。近年は糖代謝に加え、抗老化や抗疲労に関する研究も進展。「何を食べるか」だけでなく「どのように飲むか・摂るか」という習慣が注目されています。セミナーでは、健康機能を紐解く最新エビデンスとともに、食事の前に紅茶を飲む「ティーファースト習慣」の新たな可能性が提案されました。
老化の原因「AGEs」に着目。専門家が勧める新しい紅茶習慣

セミナー前半は、「ティーファーストのススメ~紅茶ポリフェノールで糖・脂質対策を~」をテーマに、糖尿病・代謝疾患研究の専門家であり、AGEs(Advanced Glycation End Products=終末糖化産物)研究の世界的研究者として知られる昭和医科大学医学部 内科学講座 教授の山岸 昌一先生が講演を行いました。
今回の講演のポイントとなったのは、老化の要因の一つとされる「AGEs(終末糖化産物)」。喫煙や運動不足、ストレス、睡眠不足、朝食抜き、甘いもののとりすぎなどによりこれが蓄積すると、認知症やがん、骨粗鬆症、動脈硬化などの恐ろしい病気になるだけでなく、しわやしみ、薄毛、不妊など、さまざまな悪影響を及ぼします。
こうした病気や老化現象のリスクを高めるとされるAGEsへの対策として、山岸先生がすすめるのが紅茶です。習慣的な紅茶の摂取はLDLコレステロールや血圧を下げ、脳卒中や冠動脈疾患のリスク、また、がんの死亡率も下げるという研究結果がでています。食後の飲み物と思われがちな紅茶ですが、近年新たに注目されているのは、“食事の最初に飲む”、あるいは“食事中に飲む”、「ティーファースト」という健康習慣。紅茶ポリフェノールを食事の前に摂取しておくことで、糖質の消化酵素の働きを抑え、後から入ってくる糖質をゆっくり分解・吸収することができ、またリン脂質との相互作用や消化酵素リパーゼの働きを抑えることで脂質の吸収が穏やかになります。
つまり、「ティーファースト」習慣をもつことで、糖質と脂質の両方に配慮した食生活を実現することができるのです。
酷暑の夏に。紅茶ポリフェノールに期待される抗疲労効果

セミナー後半に登壇したのは、国際的疲労研究の第一人者である日本疲労学会 理事長、神戸大学大学院 科学技術イノベーション研究科 特命教授の渡辺 恭良先生。「夏バテ対策:紅茶ポリフェノールの暑熱環境下抗疲労効果」について講演を行いました。

全国10~14万人を対象に行なわれている疲労実態調査では、年によってバラつきはあるものの、ここ10年で”疲れている人”が少しずつ増えており、2026年にいたっては若年層の疲労が深刻化しています。とくに、暑い夏は睡眠の質が下がり、疲労度も高くなることがわかっています。

2026年5月に行われたアイスレモン飲料とアイスレモン紅茶を飲用し暑熱環境での運動負荷を比較する試験では、紅茶を飲んだときのほうが運動時の心拍数上昇を抑えき、負荷後の温感感覚が高く、回復後の眠気が抑えられることがわかりました。この試験から、交感神経系と副交感神経系間の自律神経系調節に係る機能をポリフェノールが高めていると評価できるのだといいます。
渡辺先生も山岸先生と同じく「ティーファースト」を推奨しており、特に朝起きて日光を浴びた後、朝食前に紅茶を飲むことをおすすめしていました。
「ティーファースト」習慣をつけることで、長期的に見た老化や病気のリスクだけでなく、日々の疲れを軽減することも期待できるようです。
この夏始めたい、「ティーファースト」習慣

今回のセミナーでは、紅茶ポリフェノールが糖・脂質対策や抗老化、さらには暑熱環境下での抗疲労など、幅広い健康機能を持つ可能性が最新の研究から示されました。なかでも特徴的だったのは、「何を飲むか」だけでなく、「いつ飲むか」という新しい視点です。
食事の前や食事中に紅茶を取り入れる「ティーファースト」は、毎日の生活に無理なく取り入れやすい習慣の一つ。紅茶は温かいものでも冷たいものでもいいそうですが、砂糖やミルクの入ったものだと効果が変わってきてしまうので注意しましょう。
健康寿命の延伸や夏のコンディション維持への関心が高まる今、日々の一杯の紅茶を見直すことが、健康につながる大きな一歩になるかもしれません。食事の前や食中に一杯の紅茶を。ぜひこの夏、あなたも始めてみてくださいね。












