日本人なら味わいたい!老舗「銀座 伴助」の極上干物。高級のどくろ、特大きんきが肉厚ふっくら
2023年がスタートし、夢や希望に満ちている人も多いことでしょう。そんな姿勢を正す時節に改めて味わいたいのが日本の伝統料理。高級干物「伴助」の旗艦店である和食「銀座 伴助」は、テレビ番組などでも取り上げられている有名店。高級なのどくろ・アワビ・特大のきんきなど、ふっくらとして肉厚な干物はうまみが濃厚です。蔵元直送の貴重な生酒まで味わえ、口福の時間でした。日本人なら味わいたい老舗の本格干物をご紹介。
福島に本社がある老舗「伴助」の本格干物を東京・銀座で堪能
手前は「特大干物 とろきんき開き」、奥は「超希少干物 特上特大のどくろ開き」
地下鉄 東銀座駅から徒歩1分。和食店「銀座 伴助」は福島県いわき市に本社と工場がある高級干物ブランド「伴助」のフラッグショップ。
店内に入るとまず物販ブースがあり、さまざまな干物がずらりと展示され、そのまま購入してお持ち帰りしたり、全国各地に発送を手配したりできます。奥の飲食スペースではランチ定食や、夜のコース料理などを提供。
食事に誘ってくれた友人を待つ間、物販ブースをながめていると、希少で高級なのどくろや、さば、きんきなどの開きを発見。普段スーパーなどで見かけるものに比べ、どれも特大サイズで肉厚。他に銀だらやほっけなどの切り身やホタテの干物までそろっています。
干物は個包装されて冷凍保管ができるので、サイズによって大家族からひとり暮らしの人まで、さまざまなシーンで活躍しそうです。特に魚の開きには「伴助」の焼き印が入っているので見た目も本格的で、贈答用にも良さそう。
生ビールの“神泡アート”に感激!好きな文字も入れられる
今回はひとり税込5,500円の「エクセレントコース」を注文。コースは手軽な税込3,300円からそろっていて、アラカルト注文も可能です。さっそくアワビの干物、沖縄のジーマーミ豆腐などの前菜3種の盛り合わせが運ばれてきました。
とりあえずビールで乾杯!と思ったら、ビールの泡には店名の「伴助」という文字が!カプチーノのラテアートのように、繊細な文字の線が描かれていてびっくり。
「これ、“神泡アート”って言うんだって。すごいよね~」。食事に誘ってくれた友人が、気を利かせて“神泡アート”を注文してくれていたよう。110円(税込)でプラス注文すれば、他に「ありがとうございます」や「Happy birthday」などの文字でも “神泡アート”ができるのだとか。
きめ細かな泡を口に含むと、“神泡アート”の「伴助」の文字は端の方が少しだけゆがみ、口元にはビールの“泡ひげ”が。飲むのがもったいなくなります。心地よいのどごしと、すっきりとしたキレ。やはりビールは最高!
アワビの干物は凝縮された味でかむほどにうまみが増し、ジーマーミ豆腐はぷるぷるとした独特の弾力。“神泡アート”は事前に予約すれば好きな文字も入れられるそうで、記念日ディナーのサプライズなどに良さそうです。「誰か近々、誕生日の人はいなかったかな?」と思わず楽しい考えが頭を巡ります。
日本酒のファン必見!都内2カ所だけで提供の生樽(だる)サーバー
お刺身の盛り合わせや「ズワイみそ甲羅焼き」が運ばれてくると、急に日本酒が恋しくなりました。全国各地の地酒を豊富な種類で取りそろえていましたが、特に私の心をつかんだのは「蔵元直送 生樽サーバー」グラス1杯 1,320円(税込)。
スタッフさんに尋ねてみると、加熱処理する前の純米大吟醸の生酒を、空気に触れないように真空になっている生樽(だる)でサーブしてくれるとのこと。大手メーカーの卓上醤油のように樽の中が2重構造になっています。これは興味津々!
友人たちも注目する中、客席に生樽サーバーが運ばれてきて、スタッフさんがお客の目の前でグラスに生酒を注いでくれました。クラフトビール店で見かける少量生産タイプの生樽サーバーと形状が似ています。いったいどんな味なのでしょう?期待が高まります。
グラスを近づけると華やかな香り。フレッシュでみずみずしい味わい。これは!酒蔵見学の時に蔵元に飲ませてもらった時のきれいな味わい。後半はふくよかなうまみが口の奥の方で広がって至福の瞬間。スタッフさんの話によると酒造メーカーの特注品らしく、この生樽サーバーを体験できるのは都内に2軒しかないとのこと。注文してよかった。本当にラッキー!
「ズワイみそ甲羅焼き」はカニ風味が濃厚なネギの香ばしい味噌焼き。これに樽生サーバーの生酒がとてもよく合い、止まらないおいしさ。酔いしれるとはこういうことね~。まだ主役の干物にたどり着いていないというのに、すでに満足。
さすが創業70年の老舗!魚のカット法や乾燥など随所にこだわり
「揚げたてさつまあげ」の後は、本日のメイン、「伴助」の干物。「特大干物 とろきんき開き」は自分たちの顔くらいの大きさほどで肉厚。友人たちと「干物なのに、身がふっくらとしている~!干物なのにジュージー。想像していた干物と全然違う!」と感想で盛り上がりました。
今年で創業70年を迎える「伴助」では、熟練の目利きが魚介を厳選して仕入れ、魚を開く時、左右両面に骨が乗るように背骨の真ん中からカットしているのだそう。とても高度な技術で、話を聞きながらも一瞬、箸が止まります。
「味わう時に両面に焼き加減や味にムラが出ないように工夫しているのです」とスタッフさん。それらを魚醤(ぎょしょう)やホタテエキスなどを隠し味に使った創業当時からの秘伝のタレに漬け込んだ後、乾燥させているのだとか。
左右両面とも均等なおいしさになるように魚の背骨の真ん中からカット
さらに乾燥工程では“2段階高温熟成法”を採用。最初に緩やかな高温にあてることで、先に干物の表面に薄い膜を作り、身の部分の保湿効果を高め、魚のうまみを凝縮させます。
次に冷風で締めて、身の中でうまみをじっくり熟成させてから、最後に再び高温の強い風をあてて、パリッと美しいツヤのアメ色の干物に。魚の種類やサイズにより、こまめに乾燥時間を調整しながら仕上げているのだそう。
また干物とはいえ、できたてが一番という考えで、製造より36時間以内で味わってもらえるように、冷凍ではなくチルドで銀座の店まで運送しています。
「銀座 伴助」ではほっけやきんきなどの魚の開き他に、ちょっと珍しい穴子やトラウトサーモン、のどくろ・アワビ・ホタテ貝柱・水タコなどの干物も味わえます。
この機会に追加注文したのどくろは、きんきほどの食べごたえではありませんが、香ばしいうまみはきんきを上回るほど。締めの「だし茶漬け」にのせてサラサラと食べても美味でした。
お米の巨匠の最上位である「五つ星お米マイスター」が選んだ米を使用しており、デザートの「酒粕アイスクリーム」も含め、とにかく和食の醍醐味(だいごみ)を存分に堪能できました。
今年の目標に「健康」をあげた方や、上質な和食を楽しみたい方など、ぜひ今年の訪問店リストに加えてみてくださいね。
店名:高級ブランド干物「銀座伴助」銀座本店
所在地:東京都中央区銀座5丁目14番8号
アクセス:東京メトロ日比谷線 東銀座駅4番出口より徒歩1分
営業時間:(物販)月~日11:00~23:00
(飲食)月~金ランチ11:00~15:00(L.O.14:30)/ディナー17:00~23:00(L.O.22:00)/土日祝ランチ11:00~17:00/ディナー 17:00~23:00(L.O.22:00)
定休日:なし
規模:カウンター 8席/テーブル 30席/座敷 28席/個室 12席
客単価:昼1,500円/夜8,000円