マッキー牧元氏が監修!老舗「新橋玉木屋」がつくだ煮を使った洋風コースにワインをペアリング!
日本の伝統料理、佃煮(つくだに)といえば「新橋玉木屋」。1782年から続く老舗で、10代目が切り盛りする現在は国内6店舗の他に、ハワイやベトナムにも展開。そんな「新橋玉木屋」が2023年1月から東京・新橋の本店で、佃煮を使った洋風や中華、エスニックのコースを提供。しかもワインとのペアリングを提案しているのです。ご飯や日本酒のおともに愛されてきた佃煮が、国際色豊かで斬新なスタイルに進化していました。
昼に3席の限定!エビの佃煮がおしゃれな「エビキャラメリゼ」に
新橋駅烏森口から徒歩6分。2022年8月に港区新橋に移転した「新橋玉木屋 本店」は木目調の落ち着いた店内で、昆布やお魚の佃煮やお茶漬け、ふりかけなどがずらりと並べられ販売されています。
そして入り口からすぐのところに設けられているのがカウンター3席。ここで平日の昼(12時~15時)のみ提供しているのが、佃煮を使用した新感覚のお料理のコース。価格は4,950円(税・サービス料込/ワイン込)で知る人ぞ知る隠れたメニューです。
料理に使われている佃煮が少しずつ盛られた一皿
まず提供されたのは、調理前の佃煮が少しずつ盛られた一皿。エビや姫にしんなど、コースに使われている佃煮を少しずつ味わうができ、この時点では白飯や日本酒に合いそうないつもの和のテイスト。これをワインと合わせるとどんな味わいになるのか、まったく想像が付きません。
ワインは白・オレンジ・赤の3杯。最初の白ワインはカナダ・オンタリオ州のシャルドネ。これにアペタイザー3品が付きます。
えびの佃煮とナッツをガラムマサラ風味のキャラメリゼに仕上げたものや、あみの佃煮にバターなどを加えたものがワインと合うので驚き。特にあみ(エビよりも小さいアミ科の甲殻類)は独特の香りがあるものですが、バターやレモンが加わると全く違ったワインのおつまみに変身。いくらでも食べられそう!
また、佃煮なので茶色の地味な見た目をイメージしていましたが、イチゴにピリ辛の葉唐辛子の佃煮をのせた料理もあり、洋風でおしゃれな見た目。隠し味としてイチゴにバルサミコ酢がかけてあり、メニュー表には“北イタリア風”と書いてあります。見た目も味も、見事に洋風に変身しており、ワインにしっかり寄り添う佃煮料理に。
さすがマッキー牧元氏が監修されたお料理です。どれも工夫が凝らされており、趣深い味わい。メニューの考案は料理家のうすいはなこさんが担当されたとのこと。
ザワークラフトで北欧風に、ゲランド塩&コンフィでフランス風に
青りんごのような爽やかな香りの同じ白ワインでいただくのが「にしんの北欧風佃煮」。りんごのスライスの上に、姫にしんの佃煮やザワークラフト、サワークリームがのせてあり、酸味がとても心地良い一皿。10cmくらいの姫にしんの佃煮は、こういうお料理にすればワインとも合うのですね。
お店ではコース利用のお客には、その料理のレシピも手渡してくれます。気に入った料理は、帰り際に商品を購入して、後日、自宅で再現することもできるのです。新しいレシピを増やしたい方やワインが好きな方に特にオススメ。後日、オンライン通販サイトから商品購入することも可能です。
次はオレンジワイン。栃木県足利市にある有名なココ・ファーム・ワイナリー の「甲州F.O.S. 2020」。ほどよいボディ感とコクのある余韻が魅力です。
お料理は「秋刀魚ゲランド塩と金柑のコンフィ」。店でも販売されている「秋刀魚ゲランド塩」は、サンマを1本丸ごと真空パックしたもの。何時間もかけて丁寧に火入れしているので骨まで柔らかく丸ごといただけます。こういう佃煮もあるとは今まで知りませんでした。カルシウムもたっぷり摂取できますね。
真ん中が「秋刀魚ゲランド塩」。コースには9種の佃煮が使われている
運ばれた瞬間からローズマリーの爽やかな香りが広がります。ゲランド塩がサンマのうまみを引き出しており、金柑の甘みやほろ苦い皮の部分がとてもワインに合いました。オレンジワインと金柑は味だけでなく色まで同調して、そのマリアージュに思わず笑みがこぼれます。
中華からエスニック、最後はベトナムへ。想像を超える意外性
「木耳レモンと鶏肉のシュウマイ レモン醤油を添えて」とオレンジワイン
次はオレンジワインと中華。「木耳レモンと鶏肉のシュウマイ レモン醤油を添えて」は鶏肉なので胃に重くなく、キクラゲレモンの佃煮により、レモンの風味と心地よい食感がプラスされています。ほどよい飲みごたえがありながらも余韻が重すぎないオレンジワインが、シュウマイと好相性。
できたてのシュウマイがとてもふんわりして、一口サイズで食べやすいので、大量に作ればホームパーティーでも盛り上がれそうな一品です。こちらもレシピ付きで本当にうれしい。
最後は赤ワイン。しかも泡!お料理は「牛肉しょうが煮のタイ風レッドカレー」。ご飯&スパークリングという組み合わせも、佃煮&カレーもいろいろな意味で想像を超えたペアリング。座席には3名しかいないのですが、その意外性で会話が盛り上がります。
赤ワインはやや甘口な弱発泡の「ランブルスコ」。ベリー系の香りと甘酸っぱさで飲みやすいイタリアワイン。低アルコール度数なので、まるでアジアのビールのような感覚でレッドカレーと交互に飲み進められてしまいます。
ほどよい辛さのカレーには「牛肉しょうが煮」の佃煮が使われていますが、佃煮とは思えないくらいの素材感やボリューム感があります。
最後はベトナムのスイーツ。「ベトナムの伝統デザート、豆とバナナの温かいチェー」にはとら豆とぶどう豆の煮豆を使用。バナナやココナッツミルクを合わせたやさしい味で、最後にほっこりいやされました。
想像をはるかに超えるコース内容に、佃煮の新たな可能性を感じて大満足。途中でスタッフさんがさまざまな佃煮の話をしてくれるのですが、普段は物販ブースで販売している方なので、佃煮愛が熱すぎて会話も一興でした。
保存の効く佃煮には当然、保存料がたっぷり使われているのだと勝手に思い込んでいましたが、話をうかがってみると保存料や着色料をほぼ使用していないとのこと。改めてその保存の技術に、佃煮伝統のすばらしさを感じました。
国内の自社工場で一貫した品質管理のもと、長年、素材ごとにタレを継ぎ足して伝統のコクとうまみを守りながら生産している「新橋玉木屋」。伝統的な日本の食文化を今までにない新しい世界観で楽しみたい外国の方にもオススメです。
飲食カウンターは3席しかないので必ず公式ホームページから予約してくださいね。今回ご紹介したのは2023年3月初旬頃までの提供メニューで、その後、春のメニューがおめみえするようです。また来月あたりぜひうかがいたいです♪
【新橋玉木屋 本店】
所在地:東京都港区新橋4-25-4
アクセス:JR新橋駅 烏森口より徒歩6分
電話番号:03-6450-1231
営業時間:月曜~金曜10:00~18:00
土日祝10:00~18:00 *定休日無
飲食カウンター営業時間:平日のみ11:00~18:00(ラストオーダー17:15まで)