【大阪・関西万博】イタリア館の優雅なコンサートと展示の魅力
大阪・関西万博のイタリア館では、美術作品やデザインの逸品が展示され、来場者を魅了します。館内の劇場では、イタリア各地から来日したアーティストによる公演が80日間にわたり行われ、オペラやオーケストラなど多彩な舞台芸術が披露されます。無形の芸術が放つ一瞬の輝きが、人々の感性を刺激し、芸術と文化の出会いをより豊かに彩ります。今回は、毎日18:00から開催される劇場でのコンサートの様子も合わせてご紹介します。
イタリア館劇場:芸術が響き合う空間
イタリアパビリオン劇場では、ルイジ・チェルビーニ青少年オーケストラの木管八重奏団による演奏が披露されました。
オーボエ2名、クラリネット2名、ファゴット2名、ホルン2名、計8名によるアンサンブルが織りなす響きは重厚でありながら透明感に満ち、観客を魅了しました。
モーツァルト《セレナード第12番》と映像が織りなす舞台
モーツァルト《セレナード第12番 ハ短調「ナハトムジーク」K.388》などの重厚な響きが広がり、背景には古代神殿やイタリアの名所を映した映像が投影されました。音楽と映像が重なり合うことで独自の世界観が生まれ、観客は特別なひとときを楽しみました。
演奏を終えて記念の一枚
公演を終えたルイジ・チェルビーニ青少年オーケストラの木管八重奏団のメンバーとともに記念撮影が行われました。オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンを担当する奏者たちが笑顔で並び、舞台の余韻を漂わせる和やかな雰囲気に包まれています。音楽と人との交流が響き合う特別な一瞬を切り取った写真となりました。
今後の演目の予定については、イタリアパビリオンの公式アプリをご確認ください。
伊藤マンショの肖像
イタリア館最大の魅力は、デジタルやバーチャルが主流の万博の中で、古代ローマからルネサンス、そして現代へと続く本物の芸術作品を間近で見られる点にあります。
《伊藤マンショの肖像》
天正遣欧少年使節の正使として13歳でローマを目指し、約8年半の旅を成し遂げた伊東マンショ。教皇に謁見し、西洋の文化や技術を日本に伝えるなど、イタリアとの架け橋的な存在となりました。その生涯は信念を貫いた姿として今も人々の心を打ちます。ウンブリア国立美術館所蔵。
ファルネーゼのアトラス : 天球を背負う巨人
巨人アトラスが天球を背負う姿を刻んだ古代ローマの大理石像(2世紀後半)。天球には40以上の星座が描かれ、現存する最古級の天球儀として知られています。神話と科学が融合したこの像は、古代の宇宙観を今に伝える貴重な遺産です。ナポリ国立考古学博物館所蔵。
ペルジーノ「正義の旗」信仰と秩序
ルネサンスの巨匠ペルジーノによる「正義の旗」(1496年)。聖母子と天使たちが描かれた上段と、修道士や市民、背景に広がるペルージャの街並みが印象的です。本作は宗教行列のために制作され、信仰と秩序を象徴する名品。イタリア国外では初公開。ウンブリア国立美術館所蔵。
レオナルド・ダ・ヴィンチ《アトランティコ手稿》
世界最大級の手稿集《アトランティコ手稿》から選ばれた原本が公開されました。科学、芸術、工学にわたる多彩なスケッチは、レオナルドの尽きない探究心と独創性を今に伝えています。日本で実物を鑑賞できる貴重な機会となりました。
アトラスとダ・ヴィンチの夢が出会う場所

古代神話の力強さを体現するファルネーゼのアトラス像。その頭上には、レオナルド・ダ・ヴィンチが構想した空飛ぶ機械の模型が展示されています。古代からルネサンスへと連なる叡智が同じ空間で呼応し、来場者に時代を超えたイタリアの精神を体感させます。
イタリアの革新技術 ― 車産業の未来
イタリアが誇る自動車産業の技術も紹介されています。ブレーキシステムやタイヤ、最新素材の展示を通じて、安全性とデザイン性を兼ね備え最先端のモビリティ文化を発信。伝統と革新の両輪で進化を続けるイタリアの姿が浮かび上がります。
パビリオンの屋上でイタリアちゃんを発見!
イタリア国旗をイメージした瞳と扇子、和装の衣装をまとった公式キャラクター「イタリアちゃん」。頭上の冠は都市を象徴し、日伊の文化交流を表しています。屋上で来場者を迎える愛らしい姿が印象的でした。
多くの人々が求めた「本物の感動」

このように、本物の美術品と舞台芸術が融合したイタリア館は、連日多くの来場者で賑わっています。
大阪・関西万博のイタリア館は、日本とイタリアの文化交流の架け橋となり、多くの人々に忘れられない感動を与えています。残りの開催期間が限られますが、ぜひイタリア館に足をお運びください。
■ 大阪・関西万博 イタリアパビリオン(イタリア館)
開催期間:2025年4月13日~10月13日(184日間)
会場全体の開場時間:9:00 〜 22:00
パビリオンの営業時間:10:00 〜 21:00(終日の入場締切は要確認)
取材協力: 大阪・関西万博 イタリアパビリオン(イタリア館)




















