大人女子こそ使いこなしたい“スパイシー&ウッディ”フレグランス♡
自分のために、誰かのために。選んだ香りをまとう行為は、五感に響く楽しみの一つです。可愛らしいフルーティもエレガントなフローラルもすてきですが、今回は大人の女性にこそおすすめしたいスパイシー&ウッディノートのフレグランスをご紹介します。
女性でも似合うスパイシー&ウッディノートを探して
スパイシー系やウッディ系のフレグランスに対して、どんな印象をお持ちでしょうか。
男性向け・渋い・重たい・使いにくい。そういったイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
ですが、大人の女性だからこそ似合う樹木の甘さや、香辛料の温かみが感じられる香りもとても魅力的です。
いつものフルーティやフローラルな香りから一歩冒険して、香りのワードローブに加えてほしいスパイシー&ウッディフレグランスを4本選んでみました。
勇壮な自然の力を素肌にまとうPALMAROLA
Le Couvent des Minimes / PALMAROLA
クヴォン・デ・ミニムはエルメスの調香師としても活躍したジャン=クロード・エレナが監修したブランド。17世紀の修道院から伝わるボタニカルの伝統を受け継ぎ、100%ヴィーガン処方のフレグランスを展開しています。
パルマローラは、イタリアのポンティーネ諸島の海と白い崖のコントラストを描いた香り。
香りの構成はウッディフローラル。普段はフローラル系を好む方がウッディ系に初めてチャレンジするのにもおすすめです。
まずはトップのベルガモットやイタリアンレモンで、海風のようなシトラスの爽やかさを堪能。
トップが消えた後にはジャスミンの静謐(せいひつ)な白い花の香りと、ガイアックウッドの力強い樹木の香りが絡み合うように香り立ちます。
最初はフローラルさが前面に出ていますが、徐々にガイアックウッドの力強くもしっとりとした湿度のあるようなウッディさが感じられます。
優しい樹木と花の香りは、まるで白い花と樹木でできたアーチに包まれているような気持ちです。
癖のないウッディさと、軽やかに香るフローラルはデイリー使いにも扱いやすいフレグランスです。
サイズは10mlから展開していますので、少量からお試しをしたい方にも手が出しやすいですね。
香りの構成がシンプルですので、あまり香水に慣れていない方でも重たさを感じられないところもおすすめのポイントです。
女性らしい温かみと甘さのFeminite du bois
Serge Lutens / Feminite du bois
セルジュ・ルタンスの代表作の一つ、フェミニテデュボワ。
ウッディノートは男性のものだけではないのだと訴えかけるような、なんとも女性らしいフェミニンなウッディを表現したフレグランスです。
淡いラベンダーカラーの液体の中には、アトラスシダーや蜂蜜、フルーツをはじめとした香りがぎゅっと濃縮されたかのように詰まっています。
シダーやスギのような森林を思わせる香りと、ピーチのような甘さやローズのフローラルが繊細に折り重なる様は美しく。体温を感じるような女性らしいエレガントさを、ウッディノートで表現している仕上がりに感嘆を覚えます。
男性向けのウッディ系によくある苦みなどはあまり感じられず、クリーミーで樹脂のような甘味は優しい温もりを感じさせます。ラストには、ムスクが肌になじむように溶け込み消えていきます。
ウッディさの中に確かに存在するフェミニンさ。腕の中で愛しいものを慈しみ育てていくような印象の香りは、大人の女性にぴったりです。
その香りはセルジュ・ルタンスの作品の中でも「気体の宝石」とも称されているそう。
ルタンスの名香と呼ばれるのもうなずける香りです。
魔術のように人を惑わせる Kashnoir
LABORATORIO OLFATTIVO / Kashnoir
ラボラトリオ・オルファティーボのカシノワールは、薬草とスパイスが共鳴するような、アロマティックでスパイシーな香り。
ラベンダーやコリアンダーのハーバルで透明感のある香りに、オレンジブロッサムやローズのフローラルさとヘリオトロープのパウダリックな香りが、たおやかな華々しさを添えてくれます。
加えてパチョリのスモーキーさや、ベンゾインやアンバーの甘さが香りの底を支えているような印象です。
このフレグランスでは、ローズなどのフローラル系はハーブやスパイスを引き立てる役割で、メインに香るわけではありません。
全体的な印象は確かにスパイシーなのに、不思議と軽やか。薬草のような苦みとシアーな空気感が重なり合う香りは癖になってしまいます。
第一印象は少し難しいと感じる香りなのですが、使っていくごとにハマッていくさまは、まるで底のない魔術に捕らわれていくよう。
クラシカルに寄りそうになるのに、絶妙なバランスでモダンに仕上げている香りだなと思います。
男女共に使える香りですので、パートナーとシェアして使うのにもおすすめです。
退廃的な香りで魅了するVOLUTES
diptyque / VOLUTES
ディプティックのヴォリュートは色気の漂う、蠱惑(こわく)的なオリエンタルでスパイシーな香り。
その昔、大西洋を横断しサイゴンに向かう大型客船の長旅の中で、シガレットをくゆらす女性や、船の煙突の煙などがらせんを描くようなイメージでクリエイトしたとのこと。
ドライフルーツや蜂蜜の乾いた甘さにシナモンの香ばしさ。女性の白粉のようなパウダリックさが混ざり合い、なんとも濃厚でドラマティック。
甘く・苦く・スモーキーでふくよかな香りは、スパイシーながら樹脂のような温かみと香り高さを感じられる香りです。
複雑に重なり合った香りはまるで万華鏡のようにくるくると表情を変え、渦を巻いてゆったりと時間とともに流れていく。目を閉じると、まるで遠い異国を旅しているような、そんなトリップ感に浸れる異国情緒が溢れる香りです。
オフィスユースよりはプライベート向き。寒い季節に似合う香りですが、あえて熱を感じる夏の夜につけるのもおすすめです。
重めの香りに抵抗がある場合は、就寝前に寝香水としてまとい、翌朝は残り香を楽しんで。
スパイシー&ウッディノートのフレグランスはともすれば男性のように香りがちで苦手意識を持つ方もいらっしゃるかもしれません。ですが、これらの温かみや樹木の甘さを知ってしまうと、意外にとりことなってしまうかも。
4月からの新生活に向けて、新たな自分のイメージを演出するお手伝いに、今までにない香りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。