京都に現在も続く伝説「あの世とこの世を繋ぐ場所」ミステリアスで神秘的な「六道珍皇寺」

グルメや観光スポット、歴史的建造物、神社仏閣巡りなど、見どころが溢れる京都。摩訶不思議な伝説と共に伝わる、閻魔大王と小野篁のおはなし、お寺の裏庭にある「冥途通いの井戸」から夜になると小野篁が閻魔大王の元へ通ったとされる場所、ミステリアスで神秘的な「六道珍皇寺」の魅力、素晴らしい寺宝が拝見できる「秋の寺宝展」をご紹介します。

珍皇寺参詣曼茶羅図複製(京都府指定有形文化財)


「珍皇寺参詣曼茶羅図」(複製)。こちらの本図に描かれているのは、中世におけるお盆(盂蘭盆)の精霊迎えの様子、「六道まいり」を表現したもので、見る箇所で、当時の参拝人や本堂を中心とした、閻魔堂の様子に、小野篁が冥土に通ったという古井戸も右上の角に描かれており、現世と冥界の境にあるとされた当寺でのこうした光景は、多くの人達に地獄世界を啓蒙するうえで大きな役割をはたしたと伝えられています。

佐々木藍田筆の「地獄絵」

続く部屋に展示されているのは、佐々木藍田筆の「地獄絵」岩手県の常安寺(曹洞宗の寺院)所蔵の寺宝、佐々木藍田(ささきらんでん)筆の「大地獄絵図」(江戸時代後期)の複製画を公開。隣には参照図があり、十王の一覧と照らし合わせながら拝見できます。

「小野篁 肖像画」

小野篁は、平安初期の官人で従三位参議左大弁にもなった官僚であり、学者、歌人、漢詩人としても名高く、「地獄の裁判官」だったとされ、日中は朝廷の役人として政務に勤め、夜は冥府で「閻魔大王」の裁判の補佐をしていたと伝えられています。

現在で言う二足の草鞋で、「閻魔大王」に支えたという奇妙な伝説は現在へも語り継がれて、「六道珍皇寺」にある井戸(黄泉がえりの井戸)を使ったとされており、特別な日のみ見学が可能。

 六道珍皇寺 坂井田良宏住職

現在京都観光やお参りでたくさんの方が訪れる「六道珍皇寺」で秋の特別公開・寺宝展「地獄絵」などを公開される、背景には、坂井田良宏住職の様々な思いが込められています。

様々な災い困難、いじめや差別に戦争、これらの背景にも、人の心や思いやり道徳、欠如がみられ、何事においても、一歩踏み止まる心を持つことが大切で、人は今日からでも、改めてた気持ちや行動を持って歩む事もできます。

お参りや御朱印集めなど、気軽な気持ちで、「六道珍皇寺」へ足を運んでいただければと語っておられました。

「冥途通いの井戸」

小野篁が冥界と現世を行き来する際に使っていたという、「冥途通いの井戸」を特別に、見学させていただきました。緑溢れるお庭に現れる井戸は、独特のオーラを放っているように思え、その場の空気が澄み渡るような気配さえ感じる、不思議な体験をしました。

「薬師如来坐像」

「閻魔大王座像」

「小野篁 木立像」

今回は、住職さん立ち会いのもと、特別に、拝見させていただきました。2024年に約130年ぶりの修復を終えた、重要文化財「薬師如来坐像」、普段、特別な期間のみ公開されおり、仏様のおだやかな表情はからだのみならず心の奥底までも癒されるようなそんなオーラを纏っています。閻魔堂には小野篁、閻魔大王の像を安置しており、こちらも特別に撮影させていただきました。

「極彩色篁卿六道遊行絵図屏風」

京都の絵描きユニット、「だるま商店」から奉納された「極彩色篁卿六道遊行絵図屏風」、色鮮やかな色彩で、見たこともない、あの世の世界観が、今にも動きだしそうなリアリティと、どことなく、不思議な奇妙さに、煌びやかさ、妖艶さを感じさせる作品です。「だるま商店」と「六道珍皇寺」との出会いも、偶然による、人と人との縁で結ばれ、こちらの絵を奉納していただいたそうです。

絵師による直書き御朱印写真

秋の寺宝展当日には御朱印やグッズも販売

秋の寺宝展当日には、11月2日限定で、絵師による直書き御朱印が登場、次回11月23日にも限定で、だるま商店による直書き御朱印が登場予定、六道珍皇寺オリジナルグッズも多数登場、クリアファイルや絵葉書(地獄絵)に種類豊富なストラップなど、お参りや観光のお土産や記念にもぴったりです。

あの世まで音が響き渡るという「迎え鐘」

あの世とこの世の境「六道の辻」、あの世まで音が響き渡るという「迎え鐘」を撞かせていただきました。あの世とこの世の境とは、現在では、あの世とこの世を繋ぐ不思議な魅力を持つ「六道珍皇寺」少しでも興味を持っていただけた際には、気軽に立ち寄っていただけたらと思います。

六道珍皇寺
京都市東山区大和大路通四条下ル4丁目小松町595
075-561-4129

【秋の寺宝展】
2025年11月1日(土)~3日
(月・祝)
11月22日(土)~24日(月・祝)
午前9時~午後4時
拝観料
一般(高校生以上)800円
中学生 500円
小学生 400円

重要文化財 薬師如来坐像(正年保存大修理完了)
参詣曼茶羅図複製(桃山時代)・熊野観心十界図(江戸初期)
中島潔画伯奉納画五幅「地獄心音図」(ただし後期のみ)
篁卿「冥途通いの井戸」「黄泉がえりの井戸」
播州赤松家ゆかりの名刀など特別公開

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