お得すぎ!東京・目黒「エノフィリア」のフレンチ6品Xワイン6杯の極上ペアリング

東京・目黒駅から目黒雅叙園の方向へ坂を下ったところにあるワインダイニング「エノフィリア」。オーナーの周田克己さんは全日本最優秀ソムリエコンクールで決勝に進出した経歴をお持ちで、お店でワインスクールも開催されています。そんな有名ソムリエのフレンチレストランと聞くと、「お高いのでは?」と思ってしまいがちですが、コースは3,500円からと意外にリーズナブル。チャージやサービス料もなしというから驚きです!

穴場!ワインの種類が豊富なのにリーズナブルなコース

牛肉のカベルネ・ソーヴィニヨン煮込み

エノフィリアの牛肉のカベルネ・ソーヴィニヨン煮込み

コースは3,500円(料理5品のみ)、5,500円(6品+グラスワイン6杯)、ワイン2種フリーコース5,000円(お料理6品とワイン5種、白赤各1種が飲み放題とスパークリング6名様につき1本をサービス、ビール・ハイボールも飲み放題 2時間制)など。ワインの種類が豊富なのにお安いコース!

一番高くても12,000円のコースなので、記念日などの特別な会食から、普段のビストロづかいまで、幅広いシーンで利用できるレストランです。

しかも持ち寄りワイン・コースは、通常1本2,000円のワインボトル持込み料が無料で、お料理8品も付いて5,000円という安さ。チャージやサービス料もなしで、とても価格が良心的で、とにかくまずその価格に驚きます。

ワインが好きな私にとっては、今後、ヘビーユーザーになる予感。お店を訪問したのが「ダイナースクラブ フランスレストランウィーク2022」の開催期間(10月16日まで)中で、普段より少し割引になるというので、イベント限定の特別コース5,000円を予約してみました。

エノフィリアの卓上カード

店内に入ると高い天井、白い壁、古木の梁が印象的なクラシカルな雰囲気。広々としており、ゆったり過ごせる空間です。今回は分厚いソムリエ教本などが飾られている落ち着いた個室にご案内いただきました。

テーブルには本日のお料理と提供ワインが記されたカードが用意されていました(写真上)。お料理もワインも6種ずつ。どんなペアリングなのか早くも心が躍ります。

ワインのカードには二次元コードもついており、スマートフォンでさっそくアクセスしてみるとフランスの地図が表示されました。ワイン6種の産地が提供順番に数字で地図に表示されているので、地図を見るとワイン産地が一目瞭然。これは分かりやすくていい!

プロの技が光るオーセンティックな料理でワインに合わせやすい

真鯛のカルパッチョ仕立て

エノフィリアの真鯛のカルパッチョ仕立て

1品目はシャンパン・ビネグレットで爽やかに仕上げた真鯛のカルパッチョ。皿の中央にあるのはトマトとハーブのクスクス。

ワインは「ヴァン ムスー ブリュット フェリックス」。アイレンというブドウ品種100%のスパークリングワインは、爽やかで果実味もあり、お料理ととてもよく合いました。アルコール度数11%なので飲みやすいのもいい。

マグロとアボカドのタルタル

エノフィリアのマグロとアボカドのタルタル

2品目「マグロとアボカドのタルタル」は一番上のポーチドエッグを割り、下のマグロとアボカドの層と一緒に味わいます。家庭でも使う身近な食材ばかりなのに、マグロはゼリー寄せになっており、まったく違う世界観なので驚きます。香ばしく炒めた玉ねぎがタルタルの層の間に入っており、とっても奥深い味わい。

「ヴァン ムスー ブリュット フェリックス」と「2019モンターニュ ノワール ヴィオニエ」

エノフィリアのワイン

マグロのタルタルのおいしさをさらに引き立てくれるが、私の大好きなヴィオニエ(ブドウ品種)のワイン。「2019モンターニュ ノワール ヴィオニエ」(写真右)は、提供されてから時間がたつにつれてワインの温度が上がり、一気にフローラルな華やかさが広がってきます。

味わいはドライで、後味の苦みがほどよいコクとなって、炒めた玉ねぎの風味とも相性が抜群。「自宅でもこんなふうに作ってみたいけれど、難しいな〜」と感じながらプロの味わいに感動。

5,000円のコースなのに銘醸地ボルドーの熟成赤ワインが登場

ラタトゥイユと「2020 プロヴァンス・ロゼ カルト・ノワール」

エノフィリアのラタトゥイユ

南フランスを代表する料理「ラタトゥイユ」にはロゼの「2020 プロヴァンス・ロゼ カルト・ノワール」。「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2022」の特別コースだったので、イベントの共通テーマが南フランスということで、南仏コンビのペアリングが登場しました。

南フランスと聞いただけで、フランスの旅の古い記憶がよみがえってきて、とてもハッピーな気分になれる私ですが、野菜がごろごろと入った「ラタトゥイユ」はやわらかすぎず、とても食べ応えがあって大満足。

淡いサーモンピンクのロゼワインは華やかな香りが広がり、熟したリンゴのような味わいがとても魅力。夏場にすっきりした白ワインとラタトゥイユの組み合わせも好きだけれど、初秋にロゼと味わうラタトゥイユは大人の優美な味わい。

自家製田舎風パテ、牛肉のカベルネ・ソーヴィニヨン煮込み

エノフィリアの肉料理

いい感じで酔いがまわってきたところで「自家製田舎風パテ」。ワイン4杯目は「2018 メルロ アンリ・ノルドック」。パテの濃厚な味わいにタスマニア・マスタードが良いアクセントになって、赤ワインが進みます。

予約時から気になっていた「牛肉のカベルネ・ソーヴィニヨン煮込み」。ありがちな「牛肉の赤ワイン煮込み」と表記していないところから店のこだわりが感じられます。お肉が驚くほど柔らかく、濃厚でまろやかな味わい。

ワインは「1999シャトー・オー・ピクルノー」(下の写真左)。ボトルには銘醸地ボルドーの中でも超有名な産地「オー・メドック」と書いてあります!しかも20年以上も熟成させたもの!?

 「このお値段で、本当にこちらをいただいてもいいのでしょうか〜!?」。とても驚きました。

時間の流れに思いをはせて、新旧の赤ワインを飲み比べ

「1999 シャトー・オー・ピクルノー」を2018年のメルローと飲み比べ

エノフィリアの赤ワイン

ありがたい貴重な機会に感謝しながら、少しだけ残しておいたパテの赤ワインとともに2種を飲み比べ。1999年ものは重厚感があり、まろやかでしたが、2018年のメルローに負けないくらいの果実味も感じられました。本当に美味しいワインでした。

クレメ・ダンジェ フランボワーズ・ソース

エノフィリアのデザート

最後はフランス・ロワール地方の伝統的なチーズのデザート、クレメ・ダンジェ。ふわふわな舌ざわりで、酸味の効いたフランボワーズ・ソースでいただきます。

ワインは「2019 シャトー ヴィオレ・ラモット」。こちらはフランス・ソーテルヌの貴腐ワイン。とろりと甘口で、クレメ・ダンジェを優しく包み込み、口福のフィナーレを迎えました。

お店の料理6品Xワイン6杯のコースでは、たいていスパークリング1、白ワイン2、赤ワイン2、デザートワイン1の6種のワインを提供しているそうです。周田さんは次のように説明してくれました。

「ワインに合わせやすいように全体的にシンプルなフランスの郷土料理を提供しております。ボトルワインは約300種類をそろえており、グラスワインは常時15~30種類を提供しています」。

エノフィリアの周田オーナー

「エノフィリア」はラテン語で「ワイン好き」という意味なのだそう。まさに!という感じで、ワインが好きな人はヘビーユーザーになってしまうお店でした。

特にワインが好きでなくとも、とてもリーズナブルに本格フレンチを味わえるのでおすすめ。ノンアルコールを含め、ワイン以外のお酒も周田さんがいろいろと提案してくれます。

今回は「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2022」の期間中にイベント公式サイトでたまたまこのお店を見つけたのですが、本当にいい店に出会えてラッキーでした。

今年はイベント期間中に私は4店舗に出かけましたが、今年イベントに参加した全国の店は545店とのこと。まだまだ知らないお店が全国各地にありそう。これらの店に今年は約5万人のお客さんが来店したそうです。

フレンチが割引価格で味わえる「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク」、来年も楽しみです。

エノフィリアの外観

店名 Wine Dining Œnophilia ←店名「エノフィリア」の「エ」はローマ字のOとEが合わさったような文字です
所在地 東京都目黒区下目黒1-4-7 グリーンハイツ行人坂B1F
営業時間 平日:18時~24時(L.O. 23時)(21時最終入店 L.O. 23:30)
定休日 日曜日・祝日
アクセス 目黒駅(西口・正面口)から徒歩4分(目黒雅叙園前)
JR山手線・東急目黒線・都営地下鉄三田線・東京メトロ南北線